飯テロの真骨頂、空腹時閲覧注意のドキュメンタリー映画

今回、紹介する映画は、2014年公開

『ステーキ・レボリューション』
と言う映画です。
簡単に言えば、世界で一番おいしいお肉を食いたいっていう映画です。

ざっくりと説明すると
フランスの農場で育った人が、フランスの肉が一番美味いと思っていたけど実際、そうじゃないんじゃねと思い
まず、ニューヨークのすごい有名なステーキハウスに行って、お前らどんな肉作ってんねん、おおうまいやん、どこで食えんねんって
言う話をしてニューヨークの近所の所の農場で肉ってのはこうなんだよ~っていう話聞いてを世界各国の肉を調査する話です。


10.17公開『ステーキ・レボリューション』予告編

しかし、楽しそうなタイトルと予告編で激しい飯テロ映画と思わせといて実際観ると『ステーキ・レボリューション』は静かなドキュメンタリー映画だったのだ。
お肉を焼いている場面ばかりではなく畜産家の証言や牛の飼育状況に比重を置いていて、どちらかと言えばアカデミックな雰囲気の映画になっています。

f:id:Brownkun:20171226212053j:plain

んでも美味しそうなお肉がいっぱいあり、飯テロ映画には違いないのですが。
まぁ、色々なお肉が出てくる訳ですよ。アメリカのステーキハウスの二度焼きステーキ、どこだか忘れたけど南米のお店のケバブみたいな焼き方をするステーキ、松坂牛を使った日本の繊細なステーキ・・・ってな感じの豪華なステーキのオンパレード。

んでアカデミックな映画なので各国のお肉事情もちゃんと押さえており、明日から使えるお肉の豆知識もたくさんありました。

アメリカにおける年間の肉消費量は一人当たり12キロ、アルゼンチンは60キロだったりとか、
アメリカとフランスは赤身が主流で脂がのったのは海外市場に輸出されます。
和牛の精子を盗んで牧草で育てた、めちゃくちゃ美味いけど
ものすごく高い肉があるとか(面白そうな話なので後日書きます)


んで、肉も良いが出てくるキャラクターも良いんですよ、これが。
最初、フランスの畜産家とかステーキハウスのオーナーとかに話を聞きに行くのですけど、コイツがやたら偉そうで、マジメすぎる。
ところ変わってアメリカ。カメラがプロンクスの精肉屋に向かうと、ソコにいるのは
「Hey yo men!」的な兄ちゃんだった

コイツもキャラが濃くて好きなのだが、肉業界は広かった。
「私はMBAを持っているが、あえて畜産の道を選んだのだ」と言うめっちゃ傲慢(ソファーの上で足を組んでインタビューに応じてやがる)なエリート畜産家が出てきたと思えば、
次にでてくるのは、お肉を振り上げて「To beef, of not to be!」(「食うべきか食わざるべきか」?)と叫ぶ激情のイタリア人シェフ。
無駄なハイテンションに笑ってしまう名キャラクターだが、こんな肉業界の個性派がたくさん出てくんのだった。

そうそう、和牛の畜産家はなんや根本的な意味でイイ顔したオッサンで、曰く、「牛にゃあよう、24時間モーツァルト聞かせてんだよ。なに、牛のケア?いやぁ手が回らないね。なに牛にビール飲ませる?いや、牛じゃなくて俺が呑んじゃうよ、ゲヘへ」だそうです。
ほかに出てくるアメリカやヨーロッパの畜産家はみんな進歩的かつ貴族的な金持ちであるが、この落差はなんなんだ。
f:id:Brownkun:20171227000225j:plain
まぁこのテンションで食うか食わないかと聞かれたらそんなもん食うしかないですけどね!

日本のシーンは結構長い。
和牛はとにかく超美味い。マジやべぇ美味い。と言うことが撮影に同行したフランスのお肉博士の試食(と、セリで目にした最高級松坂牛を思わず写真に撮ってしまう博士のカット)で描かれた後、クルーは今度は松坂牛の飼育場へ。
ソコにいんのはこれまた素朴で確実にMBAとか持ってないであろう畜産家夫婦で、狭い狭い囲いに閉じ込められた松坂牛を見ながらこういうのを語るのカメラは捉える。
「全部処女牛なんですよー、柔らかいですからねー。エサは穀物飼料ですよー」

一方で他の貴族的畜産家さんたちと言うのはもっと面白いコトをやっている。
飼料の生成と肉牛の飼育を自牧場で完結させる閉鎖系の環境を構築しようとしてる人、スコットランドの高地に城を構え、その外でハンランド種を自由に放牧して育ててる人、肉牛を寿命近くまで育て上げてから出荷する(牧場の肉牛の最長年齢は15歳!)と言う常識破りの人なんかが出てくる。

お肉と並んでこのあたり映画の見せ場で、とくにスコットランドの飼育風景なんかちょっと感動してしまった。
理由は、年中霧のかかる僻地にポツンと大きなお城があって、その外の雄大な原野を肉牛が自由に闊歩してんだよ? その主人である畜産家はお城の中で暖炉の火に当たりながらインタビューに答えちゃったりして、まさに、貴族ですね。

その肉牛、ハイランド種とゆーのも立派な毛に覆われた気品すら漂う風貌で、自然の中で暮らしてるだけあって物怖じするコトがない。
クルーの乗った車を前にしても一向にその場を譲る気配がなく、飼い主も貴族なら牛も貴族である。
なんだコレは。ファンタジーか。なんか知らんが、すげー憧れるよ、こう言うの!
他方、肉牛を寿命近くまで育てる畜産家さんはもっと庶民的な飼育をしてるんであるが、コレはコレでほのぼのと感動なのだ。
別になにか特別なコトしてるワケではない。古い牧場で普通に牛と暮らしてるだけだが、例の15歳の牛と戯れてるシーンは幸せそのもの。
なんせ15歳なので物凄いデカく体高2メートル近くあるが、ソイツがちょっと走り出して母屋を壊さんばかりになっても、この畜産家さんは「なぁに、遊んでるだけさ」なんであった。
ところで、この人は高齢の肉牛に今流行の熟成を施して見事に超美味いお肉にしてるんであるが、ようするに技術の進歩や新たな研究の成果を踏まえれば牛を狭い囲いに閉じ込めないでも、環境に悪い穀物飼料を使わないでも、生後一年足らずで幼くして屠殺しなくても、美味しいお肉は出来る(らしい)です。
それがお肉のレボリューションだと、そうゆう映画であった。
ちなみに日本では、狭い囲いに閉じ込め穀物肥料を、使ってますけどね!!
f:id:Brownkun:20171227001826j:plain

さてさて、映画は一応ランク付けしてくんのですが、リビエール監督的に10位の次は3位のお店のシーンになったりする。
何故か、エンドクレジットで「これ、俺の妻が編集したよ!もうすぐ子供が生まれんすよ!」と、どうでもいい事実が明かされるが
そのせいで俺的ランキングは嫁さんランキング見たくなってしまったわけです。


まぁマジメに言うと結構セコイつくりになっていて、たとえば「和牛超うめぇ~!」ってなった後和牛の畜産家のいかにもアホそうな発言だけ挿入してその後MBAの資格を持ってる先進的な畜産家のインタビューを入れるっていうはっきりとした編集になっている
ブロンクスの精肉屋の兄ちゃんがいい例だ。

この映画は面白いのですが思想に関しては必ずしも賛同できるワケではない。
そりゃ肉牛だって放牧で育てた方が良いと個人的には思うが、それで生活成り立つんならどこの畜産家だってそうしてるだろう、そりゃ。
そのあたりの社会的な問題に切り込まず、そして先進的畜産家の手法を一切検証するコトなくひたすら称揚するこの映画は、
やっぱりちょっとセコイつくりなんですよね。
しかし観てる間はられてそんなコト考えさせないように美味そうなお肉を出すという監督の頭の良さが凄い!!
まとめると、「おいしい肉ってこうやったらおいしいよねってのを凄く論理的に突き詰めた映画」なんですよ。

んで僕がステーキ・レボリューションを面白いと思った理由は、おいしい肉がどんどん出てきて、何故おいしいのか説明はっていうすごく納得できるからです。

というわけで、おいらのお勧め映画のTOP100に入る
『ステーキ・レボリューション』を紹介してみましたよ。。。と
f:id:Brownkun:20171226230513j:plain

ブログ開設したった

お題「ブログをはじめたきっかけ」

はじめまして

おいらが開設した理由は毎日、暇なので何かやることないかなと考えたら

毎日、だらだらと映画を見ているので、感想を書いたり、適当なことを書けるので

面白そうだなと思い始めました。

 

適当に、だらだらといろいろなことを書きたいのでよろしくお願いします